セールスに苦手意識がある人に知って欲しい押し売りだと思われない方法

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投稿者:
代表理事
小沼 勢矢

例えば、あなたが体験セッションや無料の個別相談にお客様として参加したとしましょう。そして、セールスパーソンから質問や自分の現状や課題などを聞かれた後に、商品のプレゼンテーションを受けたとします。この時に、おそらく大半の方が「売り込まれた」、「押し売りされた」という気持ちになるのではないでしょうか。このように、商品やサービスを購買する気持ちのない状態のお客様が参加した体験セッションや無料個別相談で、商品を売り込もうとする行為を「後出しジャンケン」といいます。実は、体験セッションや無料の個別相談、商談などセールスの場で「後出しジャンケン」をしてしまうと、お客様に「売り込まれた」「押し売りされた」と思われやすくなり、商品やサービスの成約率は大きく落ちてしまいます。これはセールスパーソンにとって致命的です。本記事では、そんなセールスパーソンが絶対にやるべきではない「後出しジャンケン」という行為についてや、それを防ぐ具体的な方法について、事例を挙げながら解説いたします。

この記事はPodcastでオーディオセミナー配信しています。
目次

「後出しジャンケン」ではなく、先に「今日はセールスや提案をする」と説明しよう!

一般的に、多くのお客様は「押し売り」や「売り込み」を嫌う傾向を持っています。

なぜなら、多くのお客様が過去に「押し売り」や「売り込み」をされた嫌な経験があるためです。

セールスに対して苦手意識があったり、セールスは「押し売り」や「売り込み」だというマイナスイメージが広く定着しているのです。

そのため、お客様に「売り込み」や「押し売り」だと思われないためには、セールスの初期段階や、体験セッション、無料の個別商談において、「今日はセールスや提案をする」ということをしっかりとお客様に伝えることが重要です。

それを伝えないままに、なんとなく商談が始まり、セールスや提案が始まってしまうと、お客様は「売り込まれた」、「押し売りされた」という感覚を持ちます。これがセールスにおける「後出しジャンケン」です。

「後出しジャンケン」は、商談の最初の段階で「セールスや提案がある」ということに対してお客様との心理的な合意が取れていないため起きます。

セールスが下手な人は「最初からセールスや提案をするということをお客様に伝えてしまうと、それこそ押し売りや売り込みになるのではないか」と考えてしまい、最初の段階でセールスや提案をすることを伝えることなく、商談の最後の方でいきなり商品のプレゼンテーションを始めてしまいます。

それでは、お客様と「売られること」や「提案されること」に対する心理的合意が取れていないため、「押し売り」や「売り込み」だと思われてしまいます。

一方で、セールスの最初の段階で、「今日はセールスや提案をしますよ」ということをきちんと伝えておけば、お客様はあなたのセールスや提案を「押し売り」や「売り込み」とは思いません。

大事なことは、「後出しジャンケン」ではなく、先に説明しておくことです。具体的には、セールスの最初の段階で場の目的を確認するようにしましょう。

セールスの最初の段階で場の目的を確認する

私たちが、体験セッション、無料の個別相談、商談などセールスの場において、お客様と向かい合った時にまずやらなければならないことは、お客様と場の目的を確認することです。

セールスにおける場の目的は主に2つあります。

場の目的の1つ目は、お客様のお役立ちであることです。

どのような商品やサービスも、お客様の役に立つものであることを前提としています。

例えばコンサルタントであれば、お客様がセールスの場に来るということは、何らかの課題や問題を抱えていて、解決したいと思っているからです。

セレクトショップ、眼鏡屋、携帯電話ショップなど店舗型のビジネスであっても、お客様が何かしらの課題やお困りごとを持っているからこそ来店されるわけです。

同じように、セールスの場に足を運んでくださったお客様も何かしらの課題やお困りごとを持っているはずです。そんなお客様に対して、私たちセールスパーソンは商品やサービスを提案することで、お客様の課題やお困りごとを解決したり、役立たなければなりません

場の目的の2つ目は、商品やサービスの提案をすることです。

お客様に役立つというだけでは商品やサービスは売れません。そのため、セールスや提案をする可能性があるということを、最初の段階でお客様と合意していただく必要があります

このように、セールスの場の主な目的である「お客様のお役立ちであること」と、「商品やサービスの提案をすること」をトークの中でお客様と確認することが重要です。

場の目的を確認するトークの具体例

置かれている状況や提供する商品やサービスによって場の目的を確認するトークの仕方や内容は全く違ってきますが、例えば、コンサルティングの体験セッションや無料の個別相談にいらしたお客様に対するトークは、次のように行っていきます。

「今日はお時間をいただきありがとうございます。まずはじめに今日のこの場の目的を確認させていただいてもよろしいでしょうか。」
「私は今日のこの場の目的は大きく2つあると思っています。」
「まず1つ目は、〇〇さんのお役に立つということです。」
「私はコンサルタントとして専門的な立場から〇〇さんが抱えている問題や、〇〇さんが解決したい課題について一緒に考えさせていただき、〇〇さんがこの時間の中で解決のヒントを見出していくためのお役立ちをすることが一つ目の目的です。よろしいでしょうか?」
「2つ目は、今回の時間内に、私が今後も〇〇さんのお役に立てると確信できて、そして〇〇さんもそれを確信いただけましたら、今日の最後に、今後の私の関わり方についてご提案をさせていただく可能性があります。こちらもよろしいでしょうか?」

このようなイメージで、最初に確認を行って心理的な合意を取っておくと、提案をしたときのお客様の心理的抵抗感が少なくなり、提案の成約率が圧倒的に高くなります。

「場の確認」でお客様に断られた場合はセールスを終わりにしよう!

「お客様のお役立ちであること」と「商品やサービスの提案をすること」を確認したその段階でお客様に断られてしまうケースももちろんあります。

このような場合には、潔くそこでセールスを終わりにすべきです。

なぜなら、商品やサービスを買うつもりが全く無い人にセールスをしても、成約させることは難しいためです。

もちろん、何らかの方法で成約してもらおうと努力することは可能かもしれませんが、そこにエネルギーと時間をかけるよりは、次のお客様に時間をかけた方が効果的です。

ですから、最初の「場の確認」の段階でもしお客様に断られたとしたら、そこでセールス自体を終わりにして構いません。

ただし、私がこれまで数百人以上の方にセールスをした経験から言うと、このように最初の段階で断られたことは一度もありません

「場の確認」の段階で断られる主な理由

「場の確認」をするセールスの初期段階でお客様に断られてしまう最大の理由はセールスパーソン自体がセールスをすること自体に抵抗感を持っており、相手を気遣うつもりで「まどろっこしいトーク」をしてしまっている場合です。

例えば、次のようなトークのような場合です。

「2つ目の目的として、今日の限られた時間の中で、〇〇さんのお役に立てると確信でき、〇〇さんも確信いただけましたら、断っていただいても全く問題ないのですが、セールスをする可能性があります。よろしいでしょうか?」

セールスパーソン側としては「断っていただいても全く問題ないのですが」と相手を気遣っているつもりでこのようなトークをされたのかもしれませんが、これではお客様が逆に売り込み感を覚えてしまいます

お客様を気遣っているつもりで、前置きトークの中に「断ってもいい」や「買わなくてもいい」と入れてしまっている人は断られる可能性が高いので注意が必要です。

もし「場の確認」で断られることがあるという方は、ぜひこの点も意識してみてください。

最初に「場の確認」をすることで「後出しジャンケン」行為を防ごう!

本記事では、セールスにおける「後出しジャンケン」行為について、また「後出しジャンケン」行為を防ぐために重要な「場の確認」について解説いたしました。

「後出しジャンケン」行為はセールスの最初の段階で「お役立ちであること」と「商品やサービスを提案する可能性があること」という2つを確認するだけで防ぐことができるので、ぜひ意識してみてください。

投稿者:
代表理事
小沼 勢矢

一般社団法人プロセールス協会代表理事。株式会社プロアライブ代表取締役。脳科学を活用したコンサルティングを8年で3,500人以上のクライアントに提供してきた。コロナ禍で営業に課題を抱えるクライアントが増加したことがきっかけで、脳科学を基にしたセールスメソッドを確立。価値あるサービスを世の中に上手く届けられずに困っている事業者様を支援したいという想いから、一般社団法人プロセールス協会を設立。 【出版実績】 自分の脳に合った勉強法(フォレスト出版) シャイン博士が語るキャリア・カウンセリングの進め方(翻訳) シャイン博士が語る組織開発と人的資源管理の進め方(翻訳)

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